カワヨシノボリという魚
Fortranのことばかり書いているので,今回は生き物について書こうと思います.
今回の主役はカワヨシノボリ(学名Rhinogobius flumineus)です.
ヨシノボリという種類の魚は他にも日本に生息しており,中には一度海に下って再び河川に戻ってくる種類もいますが,カワヨシノボリは一生を河川で過ごします.
河川によってピークは異なると思いますが,5月から7月くらいにかけて繁殖します.以下の写真のような,黄色の卵を石の裏に産み付けます.成熟が進むと目が見えるようになり,卵はすこし褐色を帯びたような色になります.
少し砂に埋まりつつ(はまり石),下に少し隙間が空いているような石をめくると卵が見つかることが多いです.というのも,彼らは石の下を少し掘り起こして隙間を作って産卵します.卵を産んだ後は雄が卵の世話をします.川那部・水野(1989)*1の602,603ページにカワヨシノボリが石の下に穴を掘る過程をとらえたとてもよい写真があるので,興味のある方はぜひ見てみてください.あんな写真を野外で撮ってみたいものです.
仔稚魚は砂州の水際(水深数cm)で見つかります.小さい個体で7 mm位です.分かりにくいですが,以下の写真の真ん中に稚魚がいます.
比較的写真がとりやすい魚だと思います.水中で使えるカメラを初めて使うような方にはおすすめの生き物です.